生活習慣病別診断基準
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- ①随時血糖値が 200 mg/dl 以上
②早朝空腹時血糖値が 126 mg/dl 以上
③75g糖負荷試験で2時間後の血糖値が 200 mg/dl 以上
1回目の検査後、別の日に2回目の検査を行う。2回の検査でいずれも血糖値が基準値以上の場合、糖尿病と診断されます。
④ただし、上記の一回目の検査の結果に加え、下記の項目が当てはまる場合は糖尿病型と診断します。
● 糖尿病に特徴的な症状(口渇、多飲、多尿、体重減少など)がある
● HbA1c が 6.5% 以上である
● 確実な網膜症がみられる
尚、各検査の正常値は以下の通りとなります。もし、自身の検査結果が正常値でもなく、糖尿病診断結果にも属さない場合は、境界型と言い注意が必要となります。
(正常値)
①随時血糖値:正常の場合は140mg/dLを超えることはありません。
②空腹時血糖値:正常域(100mg/dl未満)、正常高値(100~109 mg/dl)、境界域(110~125mg/dl)
③糖負荷試験:140 mg/dl未満が正常値。
④正常値は、4.3~5.8%
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- 脳卒中は脳梗塞、くも膜下出血など様々な疾患の総称です。そのため、診断基準についての内容は、脳卒中ページをご覧ください。
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- 高血圧の診断ガイドラインでは、高血圧をⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度の3段階に分けています。従来は、軽症・中等症・重症と表現していましたが、軽症という表現では治療が必要ないと誤解を与えやすいため、明確にしたものです。
日本高血圧学会による高血圧基準
日本高血圧学会による高血圧基準 |
分類 |
収縮期血圧(mmHg) |
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拡張期血圧(mmHg) |
至適血圧 |
<120 |
かつ |
<80 |
正常血圧 |
<130 |
かつ |
<85 |
正常高値血圧 |
130~139 |
または |
85~89 |
軽症高血圧 |
140~159 |
または |
90~99 |
中等症高血圧 |
160~179 |
または |
100~109 |
重症高血圧 |
180≦ |
または |
110≦ |
収縮期高血圧 |
140≦ |
または |
<90 |
上記の血圧表はあくまでも、病院での測定です。ご自宅で図られる皆様は、下記の自宅用血圧測定器による基準を参考にしてください。
理由は高血圧の方に限らず一般の人でも、病院や診療所で測ると家庭よりも高い数値が出ることが多いことがわかっています。家庭ではリラックスして測定できますが、病院や健診では緊張したりして、血圧値が上がってしまうのです。診察室で測定した血圧は「診察室血圧」または「随時血圧」と呼ばれ、家庭で測る「家庭血圧」に比べると、収縮期血圧で20~30mmHg、拡張期血圧で10mmHgも高くなる場合もあります。診察室血圧が140/90mmHg以上で高血圧、家庭血圧が135/85mmHg未満で高血圧でない場合、「白衣高血圧」と呼ばれます。
2003年家庭血圧測定ガイドライン
2003年家庭血圧測定ガイドライン |
分類 |
血圧 |
確実な正常血圧 |
125/75未満 |
正常血圧 |
125/80mmHg未満 |
高血圧 |
135/80以上 |
確実な高血圧 |
135/85以上 |
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- 動脈硬化の診断に「CAVI(キャビィ)検査」があります。
この検査では、あお向けに寝た状態で両腕・両足首の血圧と脈波を測定します。時間は5分程度で、血圧測定と同じ感覚でできる簡単な検査です。結果もすぐに出ますので、その場で医師からの診断が受けられます。
この検査では、3つの項目を使用します。
①動脈のかたさ
動脈のかたさを表すのが「CAVI」です。動脈は血液を全身に送るポンプの役目を果たしていますが、ポンプの内側の圧力(血圧)が変化したときのふくらみ具合をみることによって、ポンプのしなやかさ、つまり動脈のかたさがわかるというものです。動脈硬化症が進んでいるほど、「CAVI」の値は高くなり、9.0を超えると約半数が脳動脈か心臓の動脈である冠動脈に動脈硬化症を発症しているという研究結果もあります。
柔らかでしなやかな血管血圧が上がると大きくふくらむ
動脈硬化症を起こした血管血圧が上がってもふくらみは小さい
②動脈の詰まり(足の痛み)
足の動脈の詰まりを表すのが「ABI(エービーアイ)」。足首の血圧を横になった状態で測定します。
正常 :腕の血圧と同じくらい、あるいは少し高い値となります。
動脈硬化:しかし足の動脈が詰まっていると、腕の血圧に比べて足首の血圧は低くなります。
そのため「腕の血圧」と「足首の血圧」の比をみて足の動脈の詰まりを診断するというもので、その値が0.9未満であると詰まっている可能性が高く、その値が低いほど重症になります。
また、その症状は「足の痛み」としてあらわれることが多いといわれています。
③血管年齢
同じ性別、同年齢の健康な方の「CAVI」平均値と比べることで、「血管年齢」がわかります。「CAVI」が9.0未満であっても「血管年齢」の高い方は動脈硬化症の進行が早いと考えられます。
*その他の動脈硬化症の検査
血圧測定、血液検査
動脈硬化症は生活習慣病が大きな要因です。
高血圧、脂質異常症、糖尿病などの危険因子がないかを検査します。
超音波検査
簡便かつ視覚的に血管の状態を捉えることができる検査です。
脳梗塞の予測検査として有用とされています。
超音波検査(頚動脈エコー検査)の詳細はこちら
※ほかにもMRI、X線CT、血管造影などの画像診断があります。
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- 従来の診断基準の指標は「総コレステロール値(220mg/dl以上)」でしたが、悪玉(LDL)と善玉(HDL)の違いが効力されていませんでした。たとえば善玉(HDL)コレステロールが高いことは良いことですが、総じて総コレステロール値が高くなるため、高脂血症と診断されるケースがありました。
そこで新しい診断基準では、「悪玉(LDL)コレステロールが高い」、「善玉(HDL)コレステロールが低い」、「中性脂肪が高い」という3つのタイプを明確にし、名称も脂質異常症と改めました
疾患名 |
診断項目 |
基準値 |
高LDLコレステロール血症 |
LDLコレステロール |
140mg/dl(以上) |
低HDLコレステロール血症 |
HDLコレステロール |
40mg/dl(未満) |
高トリグリセリド血症 |
中性脂肪 (トリグリセリド) |
150mg/dl(以上) |
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- 心筋梗塞の診断は、次の3項目のうち2つを満たす場合にものとされています。
1、典型的胸痛
ここでいう胸痛とは、胸内絞扼感などを含めた一般的な概念で、言い換えますと、急性心筋梗塞の発症に伴う典型的な自覚症状の存在をいいいます。
2、心電図変化
STの上昇,Q波の新たな出現,T波の陰性化,STの基線への復帰,という梗塞に伴う一連の変化が、2回以上にわたって記録された心電図上に認められることです。
したがって、唯1回だけの心電図記録ではこの項目に該当しません。
3、心筋逸脱酵素の変化
特にCPKが上昇し、後に徐々に下降して、数日後に正常に復帰することであります。そのため、1回だけの採血成績ではこの項目を診断基準としてはみなしません。
以上、1と2,1と3,2と3の3つの場合、いずれも臨床的に急性心筋梗塞症と判断して問題ありませんが、2と3の項目においては、少なくとも2回の検査が必要で、そのため診断にある程度の時間要します。
この点から、急性心筋梗塞が疑われる場合は、たとえ心電図変化を伴わなくとも、急性心筋梗塞症として取り扱うのが一般的です。
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- 狭心症は、胸の締め付けられるような痛みが典型的な症状ですが、のど、肩、腕などの痛みや、息切れが症状の場合もあります。肩こりと間違うこともあります。冷や汗を伴うこともあります。狭心症の症状は安静にすると数分で症状がおさまるのが特徴です。
1、運動負荷心電図
狭心症は運動したときに症状がおこるのが特徴です。
2、心臓超音波(心エコー)検査
狭心症が起きている状態では血流の悪くなった心臓の筋肉の動きが悪くなり、心エコーでも診断が可能となりますので、心臓に負担をかけるお薬を使いながら心エコーを行うような方法もあります。
心筋シンチグラフィー
血液が十分流れているかどうかみる検査です。狭心症であれば運動時にのみ血流(薬の集積)が低下し、安静時には血流が回復した所見が得られます。
冠動脈CT
実際に冠動脈に狭いところがあるかどうか見ることができます。カテーテル検査とくらべると静脈から造影剤を注入し、撮影するだけなので非侵襲的です。CTで確実に診断がつけば、診断のためのカテーテルの検査を行わず、カテーテル治療を行うことも可能です。
カテーテル検査(冠動脈造影):実際に冠動脈の入り口までカテーテルという細い管を挿入し、そこから冠動脈に造影剤を流し、冠動脈の状態を動画で撮影する検査です。
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- アルコール性肝障害の診断には、症状や飲酒歴の確認、とくにアルコール依存症の有無を知ることが最も重要となります。その後に身体所見・検査所見へと進めます。
(アルコール性肝障害の診断基準項目)
1、飲酒歴
・男性:平均日本酒換算で毎日3合以上或いは、1日平均で日本酒換算で5合以上を5年以上飲んでいる方。
・女性:男性の2/3(量)程度の方。
2、4週間の禁酒でGOT、GPTが80IU/l以下になった場合。
下記の内、なくともひとつが陽性の場合。
■4週間の禁酒により、r-GTPが禁酒前の値の40%以下、
または、正常値の1.5倍以下になった場合。
■禁酒により肝の大きさが著明に縮小した場合。
アルコール性肝障害と判定するには、過飲歴と禁酒による
改善を確認する必要があります。
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- 胃・十二指腸潰瘍の診断に最も重要な検査は、バリウムによるX線造影検査と内視鏡検査であり、この2つの検査により診断可能となります。
1、X線造影検査
バリウムを飲んでレントゲン写真をとる検査です。潰瘍の部分にバリウムが入り込み、胃や十二指腸の内壁から突き出たように写るため、どこに潰瘍があるかを確認することができます。
2、内視鏡検査
細い管に超小型カメラがついた内視鏡を口もしくは鼻から入れ、モニターで胃や十二指腸の状態を確認する検査です。潰瘍の進行度や深さの診断、他の病気との区別ができます。同時に、検査のために組織をとったり、出血を止めるための処置などを行うこともあります。
3、ピロリ菌検査
胃潰瘍、十二指腸潰瘍の治療方針を決めるために欠かせない検査です。方法は大きく分けて2種類あります。
ひとつは内視鏡検査の時に胃粘膜組織を採取する方法。
もうひとつは血液、尿、便、吐く息の中にピロリ菌に関係した物質があるかどうかを調べる方法
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- 胆嚢結石症は超音波検査で胆嚢内の結石や胆嚢の炎症の程度を診断できます。 胆管・肝内結石症の検査では超音波検査にCT・MRIを組み合わせ、結石や胆管の拡張などの異常を見つけ出し、必要な場合は入院のうえ内視鏡を利用した胆管造影検査を施行します。血液検査では、肝機能(特に胆道系酵素・ビリルビン値)の異常高値や、白血球数・CRP値の上昇を認めることがあります。
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- プローピングで、プロープと呼ばれる目盛の付いた細い棒状のものを歯周ポケットに入れて深さを測るほとんど痛みのない検査です。この深さをプローピングデプス(PD)と言い、診断基準としては、PDの値が0から3mmの場合は正常あるいは軽度の歯周病でP1、4から6mmの場合は中程度の歯周病でP2、7mm以上の場合になると重度の歯周病でP3で表されます。プローピングはこれを歯毎に1から6回程度行って検査する事になります。
もう1つの診断基準としては、このPDを測った後に、測った歯周ポケット内から20から30秒後に出血が有るかどうかです。この出血をBOPと言い、正常であればPDで出血するようなことは有りませんが、歯周ポケット内に炎症が有ると出血しやすくなります、出血するわけですからちょっと痛みを感じます。更に症状が進んでしまうと自然に出血するようになります。もし理由も無く歯肉から出血が有るのであれば、歯周病の可能性もあります
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- 痛風とは、関節に炎症等を起こす生活習慣病です。
高尿酸血症とは血液中の尿酸値が高い状態のことで、尿酸の生産過多で排泄が間に合わなかったり、排泄量そのものが少ないことで発症します。
日本における痛風の罹患率は0.1~0.3%と推測されており、このうち90%以上は男性患者が占めています。
また、発症年齢は40代前後が最も多くなっていますが、近年は生活習慣の乱れにより、若年層の発症率も増えています。また、痛風は治療せずに置いておくと腎臓の機能低下を招きますので、注意が必要です。
次の診断基準は歯の動揺度があります。歯周病で骨にも影響が出ている場合、歯がぐらついてきます。前歯の場合はピンセットで挟んで揺すってみる、臼歯の場合はピンセットを閉じた状態で中心部を押さえて揺すってみる検査を行って、動かない場合M0、1mm以内の動きの場合M1、1から2mm以内の動きの場合M2、2mm以上の動きの場合M3と判定されます
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- 低骨量をきたす骨粗鬆症以外の疾患または続発性骨粗鬆症を認めず,骨評価の結果が下記の条件を満たす場合,原発性骨粗鬆症と診断します。
Ⅰ 脆弱性骨折あり(注1) |
Ⅱ 脆弱性骨折なし |
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骨密度値(注2) |
脊椎エックス線像での
骨粗鬆化(注3) |
正常
骨量減少
骨粗鬆症 |
YAMの80%以上
YAMの70%以上80%未満
YAMの70%未満 |
なし
疑いあり
あり |
- 注1:脆弱性骨折:低骨量(骨密度がYAMの80%未満,あるいは脊椎エックス線像で骨粗鬆化がある場合)が原因で,軽微な外力によって発生した非外傷性骨折,骨折部位は脊椎,大腿骨頸部,橈骨遠位端,その他。
注2:骨密度は原則として腰椎骨密度とする。ただし,高齢者において,脊椎変形などのために腰椎骨密度の測定が適当でないと判断される場合には大腿骨頸部骨密度とする。これらの測定が困難な場合は,橈骨,第二中手骨,踵骨の骨密度を用いる。
注3:脊椎エックス線像での骨粗鬆化の評価は,従来の骨萎縮度判定基準を参考にして行う。
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